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    かさじぞう(いぼじぞう)

    • 2015.12.18 Friday
    • 07:53
    JUGEMテーマ:ぶらり旅
    大井川流域の伝説・民話・むかし話 目次へ
    最寄りの駅は大井川鐵道本線・青部駅ですが、駿河徳山駅との中間位の所にあります。どちらにせよ、駅から結構離れているので、車での訪問が良いと思います。県道77号線を北上し、萬世橋を越えて道なりに走ると右手に大井川に架かる橋があるので、その橋を渡り坂を上るような感じで走ると、T字路に出るのでそこを左に曲がった直ぐ右上に、かさじぞう(いぼじぞう)はあります。

    むかしむかしの話です。沢間の里に体いっぱいすきまがないくらいおできができていお坊さんが住んでいました。 お坊さんは毎日毎日おできをさすっては、つらそうになみだを流して苦しんでいました。 ある日そのお坊さんが、 「こんな苦しくてはたまらない。きっと私以外にもおできで苦しんでいるがいるはずだ。私は、そういう人の苦しみをみんな引き受けてやりたい。 そのためには私を生きうめにしてください。」と村人にたのみました。 「いくらお坊さんのたのみでも、そんなこと、わしらにゃできんよ。」 「いつもみんなのためにはたらいてくれているお坊さんを死なすわけにはいかない。なんとか考えなおしておくれ。」 とお坊さんに考えなおしてもらうようにたのみましたが、 「みなさんのために。それから、苦しんでいる人のためのにだ。私一人の命はおしくない。ぜひお願いだ。」 と頭を下げていっしょうけんめいにたのむのでした。 そのお坊さんのしんけんでいっしょうけんめいな顔を見ると、村人たちは、お坊さんの言うとおり生きうめにしたほうがいいのか、 お世話になっているお坊さんを助けたほうがいいのか困ってしまいました。そこへあるお年寄りがやってきて、 「お坊さん、やっぱしわしらにゃそんなことできんよ。」と言いました。 するとお坊さんは前よりももっと力のこもった、強い決心をしたような声で、 「いやいやそんなことはない。私一人の命より、たくさんの人を苦しみから救うほうが大切だ。 これからわしの言うとおりにして、力をかしてくれ。みなさんたのむ。このとおりだ。」 お坊さんはいっそう頭をさげて地面に頭ついてしまうほどでした。 それをみた村人は、お坊さんが本当に強い決心をしているのがわかり、ついに お坊さんの手伝いをすることにしました。 次の日、村の人はくわなどを持ちより山の下まで集まってきましたが、 「本当にうめてしまうかなあ。」 「たたりがあるかもしれんなあ。」 「そんなことはないさ、お坊さんが自分でたのんだことだからな。」 と話しておりました。そこへお坊さんがやってきて、 「やあ、みなさん。これからたのみますよ。」 とふだんとまったくかわらないにこやかなあいさつをしました。 いよいよお坊さんが話したとおりに村人はあなをほり始めました。 穴は、お坊さんが入れる位の大きさでした。 村人はあなをほりながらも、お坊さんのことが心配で心配でたまりませんでした。 しばらくしてあなをほり終わると、お坊さんはかねとじゅずを持ってあなの中に入って静かに正座をしました。 そして、「上に丸太を重ねて土をかぶせてください。私はかねを打ちながらお経を読みますから、 かねの音とお経を読む声が聞こえなくなったら死んだと思ってください。それではたのみましたよ。」 といって、お経を読み始めました。 その声は村人の心にひびくような静かで落ち着いた声でした。 村人は目になみだをうかべながら丸太をならべ、そのうえに土をかぶせ小山のようにしました。 かねの音とお経を読む声は十四・十五日続いていましたが、 日一日と小さくなっていき、二十日目あたりからはまったく聞こえなくなってしまいました。 「ああ、ついにお坊さんも息たえてしまったのかな。」 「いやいや、まだ生きていてくれるかもしれんぞ。」 と、毎日のように集まってはお坊さんの心配をしていた村人も かねの音とお経を読む声が聞こえなくなってしまったので、お坊さんが入ったあなをの上におじぞうさまをたてて 供養することにしました。それからというもの、病気になったりおかさは、できができたりしたときに、 「おじぞうさま、おできができました。どうか治してください。」 とおねがいすると、ふしぎなことに病気やおできが治ったそうです。 今でも、このかさじぞうさまの前には、お参りに来た人のそなえた花がたえることはないそうです。
    *かさは、漢字で「瘡」とかき、おできのことである。
    ​(本川根のむかし話第二集より:原文のまま)

     
    これが、かさじぞう(いぼじぞう)さんの全景です。地元では信仰を集めており、千頭に住むお年寄りから聞いた話では、小さい頃にはおばあさんとよくこのおじぞうさんにお参りに来たものだよと、昔から信仰を集めていたことを聞きました。「あそこのおじぞうさんは、ご利益がある。」と言う話もよく聞きます。現在お堂が建っている場所は工事のため、1mほどですが、移転しているという事でした。
    かさじぞう(いぼじぞう)さんの近接写真です。石に刻まれていたはずの像や文字を判読する事は出来ません。それだけ年月が経ち、信仰され続けている事を意味しています。

    近隣にあるいぼ地蔵は、島田市に2カ所あります。 いぼとり地蔵・大井川地蔵尊(島田市稲荷町1−3 大井川公園)、いぼ地蔵(島田市岸・大日堂) このほかにも、藤枝市や焼津市など、色々な所にあるようです。
    追記:地元の人に聞いた話ですが、元々は大井川の西岸にあったそうですが、「眺めの良い所に行きたい。」というお告げがあり、大井川の東岸の見晴らしの良い山の上に移転されましたが、地元の人のお参りが大変だという事で、山の下に​移されたそうです。
    私的には、このお坊さんは病気だったと思います。体いっぱいすきまがないくらいおできと言う件からは、神経線維腫症1型だったのではないか。毎日毎日おできをさすっては、つらそうになみだを流して苦しんでいましたと言う件からは、悪性末梢神経鞘腫瘍を合併してしまったのではないか。その為に、体調もすぐれず自らの命を差し出して、後世の人達のためになるように、即身仏になる事を決心したのではないかと思われます。遺伝性疾患の神経線維腫症1型罹患を考えた理由としては、対岸に同じような「あんけんさん」という民話が残されており、その話に出てくるお坊さまも、からだにおできができて治らないので、生き仏になって、おできやケガで苦しむ人達を助けてあげたいという事で、即身仏になったという民話です。かさじぞう(いぼじぞう)のお坊さんと「あんけんさん」が別人と考えれば、同じような症状があったことから、この両者には血縁関係があったのではないか。とすれば、遺伝的な疾患を考えざるを得ないところです。
    追記から考える事
    追記から、もう一つの​事柄を考える事が出来ます。「あんけんさん」とかさじぞう(いぼじぞう)さんは、同一人物ではなかったか?かさじぞう(いぼじぞう)さんは、見た目に墓標の様な形をしています。「あんけんさん」は、御神体であり、かさじぞう(いぼじぞう)さんは、墓標ではなかったのか?どちらも私の推測にしかすぎません。しかし、民話を現実的にとらえてみるのも、ひとつの楽しみではないでしょうか。民話のあった場所を訪れて、色々と想像する事、これも一つの旅の楽しみ方ではないでしょうか。
     

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