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    天狗の岩石

    • 2015.12.13 Sunday
    • 15:20
    JUGEMテーマ:ぶらり旅
    大井川流域の民話・伝説・むかし話​ 目次へ
    大井川鐵道本線・大和田駅から歩いて10分位の所に大和田八幡神社はあります。駅から坂道を登り、国道473号線に出て右手家山方面に進み、​桜トンネルの手前の左カーブの所を鋭角に山側に上ると大和田八幡神社が見えてきます。この神社のまつわる民話が、「天狗の岩石」です。
     
    むかし、むかし。大和田の里に、お日様が東の山から上るころ畑へ出て働き、西の山に沈むころくわをかついで家に帰る、それはそれは働き者の駒吉 という百姓の若者がいました。駒吉は、両親の彦左衛門、おたみと三人ぐらしでした。 里の人からは、駒やん、彦どん、たあさんと呼ばれ仲むつまじくくらしていました。 駒やんは大へん頭もよく、近所でも評判の親孝行息子でした。 ある日、駒やんは山一つ越えたとなり村から、にわとりを三羽買ってきて、とり小屋を庭につくり飼うことにしました。 夕方、畑から帰ってきて、 「トーットットットッ、トーットットットッ」と、よぶと、三羽のにわとりは羽をひろげ、からだをゆすりながらとんできて、 麦ぬかときざんだなっ葉の餌を口ばしついばんでは食べ、のどをならして水をのみました。まことにおだやかな生活でした。 駒やんは、このにわとりの卵を里の人たちに売ってはいくらかのくらしのたしにしていました。 ある年、畑のきび、ひえ、あわの取り入れも終わり、田んぼの稲もやっと黄金色に実った秋の朝のことでした。 駒やんは、餌をやりにとり小屋に行ってみると、羽毛が一面に広がっていて、一羽のにわとりがみえません。 そこで駒やんは、「どいつのしわざだ、ふんずかまえてくれよう。」と、 とり小屋にしかけをしました。あくる朝、「とりは大丈夫だろうか。」と、 思っていってみると、また一羽えじきにされてしまっていました。 みると小屋の割れ竹にきつねの毛がついていました。 「ちくしょう、思ったとおりきつねのやろうか。ふんずかまえてくれる。」 駒やんはとなりの家の犬を借りてきて、1日中きつねの寝屋をさがして、山を歩き回りました。 すると突然、岩穴に向かって犬がさか毛を立ててほえはじめました。 「ウウーッ、ワン、ワン、ワン・・・。」犬のなき声は、あたりの山々にこだましました。 そこは、駒やんの家のすぐ裏の山のしげみでした。駒やんが岩穴をのぞくと、とり小屋についていた毛と 全く同じ毛が穴の入口に付いていました。 「でかしたぞ、クロ。」犬の頭を何回も何回もなでてやりました。 「このきつねのちくしょうめ、往生せい。」 枯枝を集めて、入口で火を燃やしはじめました。 めらめらと木の枝は燃え、煙はもくもくと立ちのぼり、岩穴の中にいきおいよく入っていきました。 駒やんは、あたりにあった棒をふりあげて、「出てこいこのわるったきつね、こらしめてやる。」 きつねは穴の奥深く入ったまま出てきません。子ぎつねでもいるのでしょうか。 「きつねのやろうめ、外へ出られんくしてやる。」駒やんあたりから石を運んできては岩穴につめこみ、 運んできては岩穴につめこみ、とうとう穴をふさいでしまいました。 「やれやれ、これで明日からにわとりを安全だわい。」と駒やんは意気揚々と家に帰ってきました。 家についたころには、すっかり夜のとばりがおりていました。家で駒やんの帰りを待っていた父さんと母さんは、駒やんから今日一日の出来事を聞いて一夜を明かしました。 二日過ぎた昼、母さんは急に汗がふき出し、熱病におかされ床に伏してしまいました。 孝行息子の駒やんは、一生けん命に母さんの看病をしました。しかし、病気は一向によくなりません。 むしろ、体はだんだん弱っていきました。駒やんは、母さんの病気を早く治してやりたい一心から、村の八幡様に昼夜こもってお祈りしました。 「神様どうか母さんの病気を早くよくして下さい。おらあ、食をたってお願いしますで。」 三日目の晩のこと、母さんの枕元に赤い顔に高い鼻、大きな体の天狗があらわれて、 「苦しかろうおたみ、お前の病気は岩穴に閉じ込められている親子ぎつねのおん念だ。早く助けてやったら病気もよくなるはずじゃ。」 と、言ったかと思うと、天狗はスッと姿を消してしまいました。おたみから天狗の言ったことを聞いた父さんは、さっそく断食祈願をしている駒やんのところに駆けていって話しました。 「ああ!そうだったか。」そのことに気づいた駒やんは、翌朝早く裏山の岩穴に出かけました。 岩穴に詰めこまれた石は、取り出そうとしてもなかなか取り出すことはできませんでした。 すっかりこまってしまった駒やんは、またまた八幡様にお祈りしました。 すると、青かった空がにわかに曇り、あたりはまっ暗になり、雷が鳴りだし、どしゃぶりになりました。 間もなく、駒やんが祈っている社のあたりからゴォーと音を立てて風が吹きぬけて行ったかと思うと、裏山から里に大きな大きな岩石が音をたててころげおちてきました。 下の方には五・六軒の家がありましたが、不思議にも家と家の間をぬうように岩石はころげおちていきました。 とうとう、惣右衛門どんの家の裏までくるとドカッと居すわってしまいました。 その岩石は、きつねが巣ごもりしていた岩穴が、真っ二つ割れてそのうちの一つがころげおちてきたものでした。 それからというもの、母さんの病気はすっかりよくなりました。 「きっと、神様が駒やんの親孝行をめでて、天狗に岩石をくだかせ、きつねを助け、かあさんの病気をなおしてくれたにちがいない。」 里の人たちは、そううわさをしました。
    (川根のむかし話より:原文のまま)
    この写真が、大和田八幡神社の全景です。訪れる人を巨木が迎え入れてくれます。左手方向には、招魂碑が立てられています。

    この写真は、大和田​八幡神社を正面から見た写真です。駒やんはこの社の前で、断食祈願したのでしょうか。目を閉じると、その姿が浮かんでくるようです。

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