この訪問は、井川線のアプトセンターの全面協力で実現しました。 無線機を持った職員が同行し、ヘルメットをかぶるなど、安全面についても十分留意した訪問です。 運休区間の保線点検に同行させてもらうという形での訪問なのです。危険が伴うので、当然の事ですが、通常は線路内を歩く事は出来ません。 同行した職員の方は、親切に大井川鐵道・井川線について説明してくれました。
接阻峡温泉駅から尾盛駅に向かいます。これは接阻峡温泉駅を出て一つ目のトンネル。 この先に続くレールは井川駅まで続いていて、そのひとつ目に尾盛駅はあります。
井川線のレールの横に短い細めのレールがありました。これは10kレールと言うそうで、以前の森林鉄道時代に使われていたもの。 現在では20kレールを使用しているそうです。
橋に差し掛かりました。この橋は、第一竹の花橋梁です。この橋を渡るには、中心の網のような部分を通ります。
井川線沿いに、以前遊歩道を整備する計画があり、一部その痕跡を見る事が出来ます。この遊歩道は、管理されないまま放置状態となり、 崩落した部分も手つかずの状態だそうです。当然廃道という扱いとなっています。写真右側に見えるのが、井川線から見える廃遊歩道のつり橋です。 ちょっと見は良さそうなんですが、床板は抜け落ちている部分もあり、到底橋としての機能は期待できません。
しばらく歩くと、まさかの雨。尾盛駅はすぐそこなのに。雷は鳴り響き、夏の夕立の様な感じです。トンネルから接阻峡温泉駅方面を眺め、雨の様子をうかがいました。やっぱり同じように雨降りです。 トンネルからの風景を見ると、S字カーブになっていて、線路上には落ち葉が敷き詰められていました。 運休区間なので、落ち葉もそのままになっているのでしょう。秋・雨・線路という哀愁漂う光景でした。 日を改めて出直す事も考えましたが、せっかくここまで来たのだからという事で、しばらく雨宿りしながら雨のおさまるのを待ちました。
雨が小降りになったので、尾盛駅を目指して歩き出しました。ここは線路から見える遊歩道の2番目のつり橋。主塔がオレンジ色に塗られています。 遊歩道はここで終わっているとの事です。山肌から対岸への大きなつり橋を架ける計画だったそうですが、事情により頓挫。現在に至るという訳です。
少し歩き、憧れの尾盛駅に到着です。秘境駅No2!確かにそこは秘境駅としての存在感がありました。