アプト式(Abt system)とはラック式鉄道の方式の一つです。 カール・ローマン・アプトが1882年に特許を取得した方式です。「アプト式」の名称は開発者の名前に因んでいます。 「アプト式」とは、2枚または3枚のラックレール(Rack-rail)およびピニオンギア(Pinion-gear)を位相をずらして設置する方式を指します。 複数の歯の位相をずらすことにより駆動力の円滑化および歯の長寿命化を図ると共に、 常にピニオンのいずれかの歯がラックレールと深く噛み合っていることにより安全性の向上が図られているのです。 車窓から見た井川線のアプト式部分です。列車は長島ダムからアプトいちしろ駅に向かいます。写真では左下側に向かっていきます。 急な勾配が解かるかと思います。信号機下側に小さく赤い屋根が写っています。ここからアプト式のレールが始まります。 従って、長島ダム駅からではアプト式のレールを見る事が出来ないのです。
列車は急勾配を進んでいきます。左下の道路の上方に見えるのが井川線の線路となっています。
かなりの高低差です。 この写真からも、下っている角度が解かると思います。
アプト区間を終え、このカーブを曲がれば、アプトいちしろ駅に到着です。 日本で唯一のアプト式区間の車窓からの風景でした。
日本のアプト式鉄道区間 1893年〜1963年 国鉄信越本線横川駅〜軽井沢駅間 1990年〜 大井川鐵道井川線アプトいちしろ駅〜長島ダム駅間