このお薬師様は、徒歩で1時間くらいはかかると思います。塩郷駅を出て左方向(北)に進み
塩郷ダムを越えて対岸の久野脇地区に入ります。 ちょっと変形なT字路にぶつかるので、そこを左に曲がり、しばらく歩くとお茶工場があるのでそこを右に曲がり山道を登って行きます。 駅からは少し距離がありますが、ハイキングコースにもなっています。案内看板によると、もともとこのお薬師様は三満集落のはずれにあったものが、 戦国時代に
武田信玄の焼き討ちに遭い焼失しました。その後、慶長9年(西暦1604年)3月、地元の人たちの手により、二里(約8Km)程の山中、萩ノ沢に再建されました。 しかし、参道も険しくお参りに不便なため、大正12年1月に現在の場所に移されました。ご本尊「
薬師如来」様は大変美男で、お願いをすれば良縁が叶うといわれる事から、「妻薬師」とも称され、多くの人が参拝に訪れます。 薬師堂の傍らには「子持ち石」が祭られており、参拝すると子宝に恵まれ、子孫繁栄のご利益があるといわれています。 佐澤薬師のひょんどり:この薬師堂では、毎年1月7日から8日の朝にかけて行われます。7日の夜にこの薬師堂に集まり 、村内安全、家内無事を祈願して、老若男女互いに手を取り、肩を組み、足を踏み鳴らしながら、赤々と燃え上がるたき火を 囲んで明け方まで歌い踊り続けたといわれています。この踊りは、古代の「歌垣」・「踏歌」の流れを汲んでいるいるものと言われています。
この写真が、佐澤薬師堂内部です。中央には大きな厨子があり、その左にはやや小さめの厨子、右側にはそれよりも少し小さな厨子が祀られています。
私が訪問した時には「子持石」のお堂は建てられたばかりで、とてもきれいで掃除も行き届いていました。
境内からは、「鵜山の七曲り」(蛇行した大井川)が見渡せます。この風景が見られるだけでも、ここまで来た甲斐があるのではないでしょうか。 ひょんどりですが、
地名の阿弥陀堂でも以前は行われていたそうですが、現在では行われていません。